新ラジアルウエル

新ラジアルウエル

 

ラジアルウエル(満洲井戸)の概要

日本国における地下水研究の第一人者であった、故 清水本之助工学博士が中国旅大地区にて発明したラジアルウエルは、その後初代アジア水源株式会社社長 故 山県 大 の技術研究開発により基本技術を確立。
従来の井戸直径より更に直径拡大効果を発揮し、1井にて10,000~20,000m3/日の《ろ過》された清澄な水の大量取水が可能になり、日本国特許となっている。

アジア水源株式会社ではこのたび、従来からの工法に改良を加え、新工法による新型ラジアルウエルの特許を取得した。

この新工法は、従来工法のラジアルウエルの弱点である渇水期での取水量減少に対応するものであり、それに加え工期短縮と施工時振動、騒音を大幅に減少させるものである。また、新しい集水管敷設方法により現在稼動している井戸でも改良により2~3倍の取水量の増加も可能となっている。上水道を始め、農業用水、工業用水など社会全般に不可欠な水を確保するために新型ラジアルウエルの普及を目指すものである。

 

施工プラン

新しい試みとして、建設工事費用の全額を弊社が負担し、取水した水を発注主様に購入していただくプランも用意。

財政難などで水源予算確保が厳しい自治体などでも容易に水源を確保でき、しかも短期間で完成できるので渇水期の断水などで困っている場合など非常に有効と思われる。

一例として、返済は毎月の水道料金などから分割返済してもらう。
過去、ラジアルウエルを採用し建設した自治体、水道事業者は水源確保の問題を解決できると共に水単価が非常に安く、メンテナンス費用も従来の浄水施設と比べて安い為、河川の水を購入するよりもはるかに安価に水を供給できる。河川には水利権、漁業権などさまざまな問題があり、取水地確保はなかなか難しいと思われるが、地下水は基本的に無料であるのでラジアルウエルはわずかな敷地面積、設備投資、維持管理費用のみで恒久的に水源が安定確保できる。

 

構造

ラジアルウエルの直径は通常、内径4m~7mの鉄筋コンクリート製の井壁から水平放射状に多孔集水管を突き出した構造である。

井筒の深さは帯水地層の厚さに比例して地表から10m~25mのものが多い。多孔集水管には厚肉鋼管及びステンレス鋼管が用いられる。集水管に設けられる集水孔のφ径及び孔数は、その地質及び逃水係数値から計算され1m当り300~500孔が穿孔される。

穿孔された集水管は求められる取水量によって突き出しの長さを計画するが、従来工法では一ヵ所当り10~20mに計画し30~90箇所に千鳥配置とし、帯水層厚によって2~3段に施工していたが(地下の帯水層の厚さは50cm~100cm。流れている厚さは10cm~50cm)渇水期に地下水位が下がると上段の集水管が水面から露出してしまうという難点があり、取水量を抑えるしかなかったが、新工法では帯水層の最下部に集水管を密集させ放射状に施工。

従来では井筒の強度低下を避けるため集水管同士の間隔(井筒内壁出口部分)を空けなければならなかったが、特許新工法の開発により集水管がほとんどくっつきあう程の間隔(放射状に敷設するので先端部分は多少離れる)で施工することを可能にした。

さらに集水管を100%水平に突出させる技術も開発。(従来工法では地層によってはまっすぐに打設することが難しかった。)工事完了後検査では弊社独自開発の水平水中小型ビデオカメラにて集水管内を動画にて確認できる。

ラジアルウエルでは、取水に一番重要な井壁内面の集水管開口面積の飛躍的な増加に成功した。旧ラジアルウエルでの集水管開口面積の取水量計算値は集水管自体の開口面積であって、いくら開口面積を増やしたとしても井壁の出口面積が少ないと地下水流速が上がってしまい地層の目詰まりを誘発するので井戸の性能を損なっていた。新型ラジアルウエルでは、井壁集水面積の大幅な増加により、従来のラジアルウエルの性能を飛躍的に向上させることに成功した。

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井筒施工

旧ラジアルウエルの井筒本体施工方法は、高さ3,5m~4,0mを1ロットとしオープンケーソン工法(水替えをせずにクラムシェルバケットを用いて井筒内の砂礫を掘り下げ井筒自体の重さで沈下させる)により沈下させていた。

1ロット沈下するたびに上部に型枠を建て鉄筋を組み、コンクリートを流し硬化後また掘り下げて計画された深度に達した後、井底に配筋を行いコンクリートを打設し底盤を施工し井筒本体が完成する。この工程に1~2ヶ月ほどかかっていた為、全体の工期では3ヶ月程を要していた。

新型ラジアルウエルでは、井筒自体をあらかじめ工場でブロック状に製作し、現場にて組み立てる工法を取り入れ、大幅に工期を短縮することが可能になった。場所が確保できる場合は現地での製作も可能。沈下工自体も油圧ジャッキを用いて短時間での沈下が可能になっている。また、あらかじめ数種類のサイズの井筒をストックしておくことにより速やかに建設が可能である。

集水管敷設

従来工法では、井底完成後、壁切り工を行い集水管を突出させる孔を開けていたが、新工法では工場ですでにブロック壁に孔を加工しておく為、ここでも工期が短縮されている。

また、従来の集水管突出工では圧縮空気を使ったエアーハンマー、油圧ハンマーなどで打設していたので施工時に相当な振動と騒音を出していた。その為、住宅地などでのラジアルウエル設置が敬遠されていた。

そこで、アジア水源では集水管突出装置を改良し、強力なシリンダーによる押し出し工法を開発した。この工法により、無振動、無騒音での授業中の学校の校庭への災害時水源や市街地、公園内への水源、トンネル、地下構造物外側の浮上防止用水抜きなどでの施工が可能となった。